社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

【12月17日】第2回プレゼンテーション

 しばらく更新を怠ってしまっていた。三学期も2週間が立ち、実践のラストスパートに向けてあらためて本ブログを更新していく。

 まずは、第2回プレゼンテーションの当日についてであるが、どのチームも用意してきたことをもとに精一杯のプレゼンテーションを行っていた。質疑応答場面における子どもたちの様子が、教師の予想を超えていたように思う。例えば、どうして〜に注目したのか?それ以外ではダメだったのか?という質問に対して、自分たちがこだわってきたことをしっかりと伝えることができていた。彼らの学習に対する熱量はこれまでたくさん感じてきたが、この授業における質疑応答の場面で一番感じることができた。

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 さて、結果であるが、当日すぐに結果は出さずに、後日滋彦社長から報告を受けた。以下が第2回プレゼンテーションの結果である。どのチームも次のステージに進めることを知り、大変喜んでいた。

<合格>  加賀縫いチーム

加賀縫いという難しいテーマの中で、ニーズを自分たちで考え、体験内容を具体化出来た点が非常に良い。専門家も実現性についてOKしている事も良い。すばらしい。

<条件付き合格> 染物チーム

加賀野菜ではなく、梅の枝を利用した梅染めで進める場合は合格。梅染めもでも金沢らしさを伝えられる事が出来るため。

<課題をクリアー出来れば合格>

1)金沢唐紙チーム 2)シルクスクリーンチーム 3)和菓子づくりチーム

1)体験内容の独自性にやや欠けるため、独自のからかみデザインを考え、専門家からOKをもらえれば合格。冬休みにていねいなデザインをいくつか考えてほしい。

2)独自のデザインで差別化するのは良いが、やや独自性に欠ける(シルクスクリーン染め自体が他の体験と比較すると汎用的なため)ため、専門家と独自性を高めるアイデアを一緒に考え、専門家からOKをもらえれば進める。できれば、メンバーの中で一人でもいいので、深村さんの体験教室に足を運んでみてほしい。

3)シルクスクリーンと同じで独自性に欠ける(和菓子体験自体が汎用的なため)専門家と一緒に差別化する点を継続検討して専門家からOKをもらえれば進める。

 

 

 

【12月11日】プレゼンの構成を考える

 プレゼンの構成(骨組みのみ)を考える時間とした。子どもたちにとって膨大な情報(自分たちが体験してみたこと、調べたこと、専門家の方から聞いたことなど)から、一度離れて考えることで、あらためて情報の整理が促されると考えたためである。

 授業導入部で、「どんな構成にするの?」と問うたところ、「それはまだ決まっていない。」という反応が大多数だったため、「構成をつかむことが今日の学習のゴールなんだね。」と確認をした。また、つぶやきの中で、かなり具体的なことを述べていたので、【作るものの説明】、【チーム紹介】など「骨組みで考える」ということを大切にするよう指示し、各グループで考えさせた。

 ふたを開けてみると、構成を考える際のプロセスがチームごとに異なっており、これまでの学びの定着を感じられる1時間であった。具体的には、ふせんを使って、個人で入れるべき要素をそれぞれが書いているグループと、いきなりホワイトボードで共有しているグループがあった。

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 考えられた構成の具体は以下である。その後、完成したグループで構成を説明させ、整理したものを黒板に位置付けた。構成で悩むグループの参考にさせるという意味も含めている。終了後、どのグループも次のビジョンを明確にもてていたように思う。授業者として手応えを感じた1時間であった。

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【12月10日】プレゼン作成に向けて

 各チームで体験の具体が完成しつつあり、あとはどのように伝えるかという段階に来ている。進度状況もチームごとによってズレが生じるため、プレゼンする際に大切にすべきことを一度確認することとした。何かあった際には、ここに各チームが立ち返ることが大切だと考えたためである。

 冒頭部で採用されたいという気持ちを確認し、「滋彦社長に『OK!採用!』と言ってもらうために、どんなことを心がけなければならないの?」と問うた。個人で考え、全体で共有した。結果、以下のように整理できた。

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 プレゼン準備をして行く際に、必ずと言っていいほど、小手先の技術に走る傾向がある。今日の授業では、どちらも大事だけど内容面の方が大事であるということを確認できたことは非常に大きな収穫であった。また、ラストスパートにむけ、各チームが一つになることが大切だということも確認できた。以下は、子どものふり返りである。しっかり前に進んでいこうという気持ちが感じられる。

  • 今日の授業で分かったことは内容を優先して、できたら方法を考えればいいということです。私は、プレゼンの時に、オリジナル性を出していくことを心がけたいです。社長に「OK!」と言われるようにONE TEAMでいきたいです。

 

 

 

【12月3・5日】各体験内容の具体化

 少し投稿が滞ってしまった。第2回プレゼンの日が確定していなかったため、全体的に進度が遅くなっていた。5日に第2回プレゼンの日を伝えたところ、内容の検討だけではなくプレゼンの作成までいかなければならないという思いから、急にペースがあがっていた。やはり、どんな時にも具体的なビジョンを共有しておくことが大切であるということを痛感した。

 現時点では、それぞれのチームで体験内容、材料費、かかる時間、その体験のウリについて考えている。以下は、和菓子体験チームであるが内容(ここに全ては書かれていないが)に関してはほぼ完成である。あとは、どうプレゼンするかを考えていくこととなる。

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 また、各チームにメールアカウントを付与しているので、必要に応じて各専門家にメールで質問をしている。この行為も非常に小慣れてきた。

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スクリーンに投影し、メンバーでメール内容を吟味

 子どもたちの学びが教室に閉じず、常に社会とつながっている。だが、それは取り組みのコンセプトに共感し、一緒に道を歩んでくださる方々のおかげである。このことは教師として、常に胸に抱き、感謝の気持ちをもつとともに、子どもたちに事あるごとに伝えていきたい。

【11月20日】前時の情報整理

 17日は、ゲストティーチャーから聞いたことを整理する時間を十分に確保できなかったため、整理する時間をとることとした。「分かったこと」、「新たに見つかった課題」という2点の整理が終了したグループから順に報告にくるよう指示した。なお、待っている間は時間を無駄にしないようにということを伝えた。

 それぞれの報告を聞き、内容について不明瞭な部分についてはツッコミを入れた。また、課題が明確になるようにこちらも黒板を用いて進むべき道を確認した。各グループの状況把握と次にすべきことの課題の確認ができたという意味で非常に有意義な時間であった。

 明日以降は、確認したことをもとに、これまで通り、それぞれのペースで進めていかせることとする。

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【11月17日】実現が可能か専門家に聞く

 それぞれのグループで、自分たちのアイデアが実現するかどうかを専門家から聞き、新たな課題を見出していくという授業展開を考えていた。研究発表会用に指導案を書いていたので、以下に添付する。

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 それぞれのグループで新たな課題を見出していた。例えば、染物チームの場合、思った以上に金時草では理想とする色が出なかったこと、大量に野菜を消費することになることを課題として見出していた。この部分については、比較的同様のことが他のグループでも見られたことから、GTをお招きしてよかったと思う。

 ただ、目の前に専門家がいることもあり、聞きたい、したいという気持ちが強いため、どんどん話し合いがズレているところもあった。この点については、もっとキレイに進めていってほしいと考えていたが、純粋な子どもの反応なのだろう。それを事前に把握しておかなかったところは微妙であった。

 次時はグループで活動する前に、それぞれのグループで悩んでいることを共有するところからはじめていきたい。

【11月14日】授業の隙間時間

 総合的な学習の時間は週に2回しかない。週に2回では、子どもたちの学習に対する意識はやはり途切れてしまう。そこで、今年度は、週に2日間の朝自習の時間を総合に関する内容で各自が取り組む時間を設定している。(これは高松の河田祥司先生に教えていただいたことをもとにしている。)また、iPadが全員分届いた10月中旬以降は休み時間でも学習に必要なことであれば、iPadを自由に触ってもよいということとした。なお、それぞれのグループにメールアカウントを付与しており、必要に応じて専門家の方にメールを送ってもよいということにしている。(この布石は9月に行っている。以下、記事)

koufuku54.hatenablog.com

 現時点では、どのグループもこれでいいのか自分たちのアイデアが実現できるかどうか判断がつかないという状況であるため、以前来てもらった専門家の方に答えてほしいと考えている。「メールで来てもらうようにお願いしてもいいですか?」という声を受け、教師が文面の確認したのち、4つのチームは、専門家に来て欲しいという依頼メールを送っていた。「自分たちが依頼して来てもらった」という感覚を大切にさせたかったため、事前に専門家への根回しは済んでいるが、そのことは伏せてある。なお、残り1つのチームに関しては専門家の方がアドレスを所有していないため、電話で交渉を行った。

 実際に、教室に来てもらえると答えてもらった時には、グループメンバーで手を取り合って喜んでいた。このように自分たちで学びを創り上げているという感覚を総合の授業では大切にしていきたいと考えている。

 さて、専門家をお招きし、自分たちのアイデアにツッコミを入れてもらう場面で、彼らにどんな気づきがあるのか非常に楽しみである。