社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

【1月21日・28日】体験の具体化

 専門家の方をお招きし、それぞれの体験の具体について考えた。ゴール意識を持たせるためことが重要であるため、「変わってもいいから、体験の具体を今日の時間の中でもってほしい。」ということを滋彦社長に伝えてもらった。その後、それぞれのチームの現時点で課題を設定しながら、専門家の方と必要に応じた体験などを交えながら、授業を展開していった。

 

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 21日には、それぞれの体験が具体化したものの、かなり多くの情報量であったので、子どもたちから「整理する時間がほしい」という声があがった。そこで、28日に現時点で明らかになったことを整理することとした。以下が、専門家の方との話し合いの中で確定したものである。

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  1. 和菓子チーム

     上生菓子を作る。そのデザインは「起き上がりこぼし」とすることとなった。顔は白あん、体は赤色に着色した白あんを使う。体験時間は1時間〜1時間半を想定し、価格は1500円程度。

  2. 唐紙チーム

     うちわ、メモ帳・ノート、手提げバックからどれかを選択して作る。型さえあればいいので、参加者に選んでもらえるようにするとのこと。柄は金沢らしいものにし、体験時間は1時間〜1時間半を想定している。

  3. シルクスクリーンチーム

     巾着かストラップを作る。金沢らしいデザイン(かに、ひゃくまんさん、金沢駅、ことじとうろう)を取り入れることとなった。体験時間は45分を想定している。

  4. 染物チーム

     金沢から古く行われている梅染でハンカチかティッシュケースを作る。梅染で必要となってくる梅の枝の確保は、滋彦社長が担当してくれることとなった。体験時間は1時間半〜2時間を想定しており、デザインは参加者に考えてもらうこととなった。

  5. 伝統作品づくりチーム

      金沢背守りカードを作る。当初子どもたちが考えた「これまで加賀繍は縫い付けるものだったけど、貼ることができればこれまでと違ったものができる」という考えに戻ることになった。柄も単に選ぶのではなく、背守りの由来も考慮し、意味のあるものにした。現時点では、うさぎ、雪つり、国旗、だるま、麻の葉模様を考えている。

 また、以下は伝統作品づくりチームの子の振り返りである。

  • 今日の授業では、1月21日で明らかになったことをグループで確認し、整理しました。また、〇〇さんに電話して新たに値段や名前が決まりました。次の授業では、材料などさらにはっきりさせていきたいです。

 多くの児童が、次の時間にさらなる詳細を考えていこうとしている。時間的余裕があれば、じっくり考えさせてあげたいところだが、3月で本実践を終了させなければならないということを考慮すると、体験の具体とは異なる局面に向かわなければならない。だが、いきなり、子どもたちに「あとは専門家の方に考えてもらおう」と呼びかけることはしたくない。そこで、今後のスケジューリングを一度滋彦社長から子どもたちに提示してもらい、そこから逆算的に何をしていくべきかを考えさせる場を確保していきたい。

【1月21日構想】専門家の方をお招きした授業展開

どうも更新がおくれがちになってしまってしまう。

専門家のみなさんを教室にお招きし、それぞれの体験の具体について考えていく。

(すでに実践は終了しているが、その際の授業構想について述べる。)

加賀繡チーム

冬休みの期間に専門家高田さんが児童のアイデアに基づき、どんな作品を作るかということを考えてくださった。第2回プレゼンでは児童のアイデアから削除されていたものの、加賀繍をシールで貼るというアイデアをやはり取り入れたいということで、背守りを作ることを現時点では考えている。背守りを作ってはどうかということについては、児童にメールが送られており、すでに児童もそのことは了承済みである。本時では、背守りのサンプルを見て、どんなデザインにするのかということを考えていく展開となる。

染物チーム

冬休みに梅染が何かということを自主的に調べてきている児童がいたものの、この情報の共有はなされていない。深村さんが、シルクスクリーンチームと話している際に、この児童から梅染がどのようなものなのかということを伝えることとなる。その後、深村さんとともにデザインについて考えていく。なお、梅染の梅は滋彦社長がすでに確保してくださっている。本時では、深村さんが梅染の一部を体験させたいということでそのプロセスを体験することとなる。

金沢唐紙チーム

冬休み中に5人の児童は具体的な柄について考えてきている。本時ではその柄の構想をもとに永嶋さんと実際に作るものの柄について考えていく。また、このグループは第二回プレゼンの際で、すでに作成するものが確定したこともあり、順調に進んでいくことが想定される。そこで、早く終わった際には、クラウドファンディングに挑戦していくことを滋彦社長から伝達してもらい、そのために何が必要かを考えさせ、次のステップへと進ませる。

シルクスクリーンチーム

冬休みに一人の児童が、深村さんの工芸教室に参加しており、シルクスクリーンを活用したぬいぐるみの存在を知った。独自性が高いこともあり、このぬいぐるみを作っていくことが滋彦社長との話し合いで決まっているものの、児童はまだこのことにふれていない。このグループでは、深村さんとともに、ぬいぐるみのデザインについて考えていくこととなる。なお、深村さんの希望により、焼き付けという一部の工程を体験させることとなっている。

和菓子チーム

前回のプレゼンでオリジナル性が弱いという指摘があった。それゆえ、デザインの部分にもう一度立ち返り、検討する必要がある。本時では、和菓子にどんなデザインを施すかということについて、検討していくこととなる。

【12月17日】第2回プレゼンテーション

 しばらく更新を怠ってしまっていた。三学期も2週間が立ち、実践のラストスパートに向けてあらためて本ブログを更新していく。

 まずは、第2回プレゼンテーションの当日についてであるが、どのチームも用意してきたことをもとに精一杯のプレゼンテーションを行っていた。質疑応答場面における子どもたちの様子が、教師の予想を超えていたように思う。例えば、どうして〜に注目したのか?それ以外ではダメだったのか?という質問に対して、自分たちがこだわってきたことをしっかりと伝えることができていた。彼らの学習に対する熱量はこれまでたくさん感じてきたが、この授業における質疑応答の場面で一番感じることができた。

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 さて、結果であるが、当日すぐに結果は出さずに、後日滋彦社長から報告を受けた。以下が第2回プレゼンテーションの結果である。どのチームも次のステージに進めることを知り、大変喜んでいた。

<合格>  加賀縫いチーム

加賀縫いという難しいテーマの中で、ニーズを自分たちで考え、体験内容を具体化出来た点が非常に良い。専門家も実現性についてOKしている事も良い。すばらしい。

<条件付き合格> 染物チーム

加賀野菜ではなく、梅の枝を利用した梅染めで進める場合は合格。梅染めもでも金沢らしさを伝えられる事が出来るため。

<課題をクリアー出来れば合格>

1)金沢唐紙チーム 2)シルクスクリーンチーム 3)和菓子づくりチーム

1)体験内容の独自性にやや欠けるため、独自のからかみデザインを考え、専門家からOKをもらえれば合格。冬休みにていねいなデザインをいくつか考えてほしい。

2)独自のデザインで差別化するのは良いが、やや独自性に欠ける(シルクスクリーン染め自体が他の体験と比較すると汎用的なため)ため、専門家と独自性を高めるアイデアを一緒に考え、専門家からOKをもらえれば進める。できれば、メンバーの中で一人でもいいので、深村さんの体験教室に足を運んでみてほしい。

3)シルクスクリーンと同じで独自性に欠ける(和菓子体験自体が汎用的なため)専門家と一緒に差別化する点を継続検討して専門家からOKをもらえれば進める。

 

 

 

【12月11日】プレゼンの構成を考える

 プレゼンの構成(骨組みのみ)を考える時間とした。子どもたちにとって膨大な情報(自分たちが体験してみたこと、調べたこと、専門家の方から聞いたことなど)から、一度離れて考えることで、あらためて情報の整理が促されると考えたためである。

 授業導入部で、「どんな構成にするの?」と問うたところ、「それはまだ決まっていない。」という反応が大多数だったため、「構成をつかむことが今日の学習のゴールなんだね。」と確認をした。また、つぶやきの中で、かなり具体的なことを述べていたので、【作るものの説明】、【チーム紹介】など「骨組みで考える」ということを大切にするよう指示し、各グループで考えさせた。

 ふたを開けてみると、構成を考える際のプロセスがチームごとに異なっており、これまでの学びの定着を感じられる1時間であった。具体的には、ふせんを使って、個人で入れるべき要素をそれぞれが書いているグループと、いきなりホワイトボードで共有しているグループがあった。

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 考えられた構成の具体は以下である。その後、完成したグループで構成を説明させ、整理したものを黒板に位置付けた。構成で悩むグループの参考にさせるという意味も含めている。終了後、どのグループも次のビジョンを明確にもてていたように思う。授業者として手応えを感じた1時間であった。

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【12月10日】プレゼン作成に向けて

 各チームで体験の具体が完成しつつあり、あとはどのように伝えるかという段階に来ている。進度状況もチームごとによってズレが生じるため、プレゼンする際に大切にすべきことを一度確認することとした。何かあった際には、ここに各チームが立ち返ることが大切だと考えたためである。

 冒頭部で採用されたいという気持ちを確認し、「滋彦社長に『OK!採用!』と言ってもらうために、どんなことを心がけなければならないの?」と問うた。個人で考え、全体で共有した。結果、以下のように整理できた。

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 プレゼン準備をして行く際に、必ずと言っていいほど、小手先の技術に走る傾向がある。今日の授業では、どちらも大事だけど内容面の方が大事であるということを確認できたことは非常に大きな収穫であった。また、ラストスパートにむけ、各チームが一つになることが大切だということも確認できた。以下は、子どものふり返りである。しっかり前に進んでいこうという気持ちが感じられる。

  • 今日の授業で分かったことは内容を優先して、できたら方法を考えればいいということです。私は、プレゼンの時に、オリジナル性を出していくことを心がけたいです。社長に「OK!」と言われるようにONE TEAMでいきたいです。

 

 

 

【12月3・5日】各体験内容の具体化

 少し投稿が滞ってしまった。第2回プレゼンの日が確定していなかったため、全体的に進度が遅くなっていた。5日に第2回プレゼンの日を伝えたところ、内容の検討だけではなくプレゼンの作成までいかなければならないという思いから、急にペースがあがっていた。やはり、どんな時にも具体的なビジョンを共有しておくことが大切であるということを痛感した。

 現時点では、それぞれのチームで体験内容、材料費、かかる時間、その体験のウリについて考えている。以下は、和菓子体験チームであるが内容(ここに全ては書かれていないが)に関してはほぼ完成である。あとは、どうプレゼンするかを考えていくこととなる。

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 また、各チームにメールアカウントを付与しているので、必要に応じて各専門家にメールで質問をしている。この行為も非常に小慣れてきた。

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スクリーンに投影し、メンバーでメール内容を吟味

 子どもたちの学びが教室に閉じず、常に社会とつながっている。だが、それは取り組みのコンセプトに共感し、一緒に道を歩んでくださる方々のおかげである。このことは教師として、常に胸に抱き、感謝の気持ちをもつとともに、子どもたちに事あるごとに伝えていきたい。

【11月20日】前時の情報整理

 17日は、ゲストティーチャーから聞いたことを整理する時間を十分に確保できなかったため、整理する時間をとることとした。「分かったこと」、「新たに見つかった課題」という2点の整理が終了したグループから順に報告にくるよう指示した。なお、待っている間は時間を無駄にしないようにということを伝えた。

 それぞれの報告を聞き、内容について不明瞭な部分についてはツッコミを入れた。また、課題が明確になるようにこちらも黒板を用いて進むべき道を確認した。各グループの状況把握と次にすべきことの課題の確認ができたという意味で非常に有意義な時間であった。

 明日以降は、確認したことをもとに、これまで通り、それぞれのペースで進めていかせることとする。

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