社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

プレゼンチームとリサーチチーム

 プレゼンチーム(自身がすでに調べたことを発表する)とリサーチチーム(近江町市場の気になることを調べる)のどちらに所属するかを確認し、それぞれで学習を展開していく。3コマの分のことをまとめて取り上げる。

プレゼンチーム

 プレゼンチームの4年は前年度の総合で慣れていることもあり、資料作成段階まで問題なく進めていくことができるだろうと考えた。だが、総合の学習が未経験の3年がいるので、一度しっかり確認することを行った。プレゼンのポイントは「しまった!」の視聴を通して、確認した。

www2.nhk.or.jp

 その後、構成を考え、資料の概要を整理し、その後、E-VOLVOXを使ってプレゼン資料を作成する。(前半はプリントを活用したが、もうそろそろ全てデジタルで出来ないか…。)現時点で、ほぼ全員が発表できる段階まで到達している。端末を家庭へ持ち帰らせることを許可しているので、自宅で終わっていない部分を終わらせてきたり、リハーサルをしてきたりしている。持ち帰らせることの有用性をあらためて実感できた。f:id:koufuku54:20200912153456j:plain

  • スライドが完成しました。だけど、スライドにはない+αをどう説明するかが大事なので、まずはノートに書いて整理していきたいです。また、せっかく写真があるので、拡大してみんなに見せたいです。昼休みか家に帰ってからじっくりやろうと思います。

リサーチチーム

 気になる項目を確認し、各々がインターネット資料を用いて調べる。問いを立てさせることも考えたが、今回はテーマだけ決めさせ、現時点では広く浅く調べ、いろんなものに興味をもたせることとした。地図をもとに、市場にある店舗の数をジャンルごとに数えたり、市場が開設された経緯を調べたりと、全体を通して多種多様なものを調べていた。一方で、検索ワードの用い方や調べたことを整理する方法についてなんらかのテコ入れが必要であることが分かった。もっと調べたいということで、自宅で親と一緒に市場の変遷についてまとめてきている子もいた。ここでも持ち帰りの強みを感じることができた。

  • 近江町市場は2つの市場が合併してできたことが書かれていたサイトを見つけました。でも、これが本当かどうかはわからないので、「2つの市場が合併してできたというのは本当か」という課題で家で調べてきたいです。

2学期授業構想

 昨年度は総合を中核にしながら、国語科と横断的に学習を展開していった。教科横断的に授業を展開させていくことの有用性と奥深さを感じたので、今年度は国語科だけではなく、異なる教科でも同様に行っていきたい。ひとまず、現時点では以下の様に考えている。

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2学期のビジョンをもつ

 どうしてもブログの更新の優先順位が低くなってしまうことから、投稿の頻度が下がってしまう。だが、このブログによって実践でつながりをうまれるという点と、取り組みを想起できる点にいて大きな役割を果たすことが分かったので、無理ない範囲で継続していくこととする。

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 2学期はじめての総合の授業である。夏休み期間中に3分の2の子どもたちが市場に足を運んでいた。そして、Classroomにも多くの投稿があった。ただ、ここの実際にいけていないところの児童にどうフォローをするかが問題である。自身がモヤモヤしていることもあり、こういう方向を進めていこうと投げかけるのではなく、現状の確認から方向性も一緒に考えていくこととした。

 1学期の総合での学びをスライドショーで確認し、夏休みの取り組みからアンケートを行った。「市場についてくわしくなったかどうか」「仲間の投稿をくわしくみたかどうか」という2点である。結果から分かることを共有したところ、「クラスの中で壁がある」「くわしく調べた人は伝えればいいし、調べきれなかった人は今から調べればよい」という意見が出た。これに近い構想はもっていたが、ここは出てきた考えにのっかることにした。今後は、2チーム(プレゼンチームとリサーチチーム)に分けて展開していきたい。

ふり返り

  • これからの総合では、E-VOVOXを使ってみんなに分かりやすい資料を作りながら、発表に向けて準備したいです。去年の総合は最後までできなかったので、今年は自分ができることをがんばって、道を創っていきたいです。
  • これからの総合では、まず自分が調べたことをみんなに伝えられるようにがんばりたいです。そこから、また新しいハテナが見つかるかもしれないからです。
  • これからの総合で、自分はまだ十分に調べきれていないところをじっくり調べていきたいです。みんなに伝えられるようなものを見つけたいです。

 

 

 

近江町市場への興味関心を高める

 客数が減っているので、何かしたいという気持ちや思いは素晴らしいが、そもそも知っているのかということを問うところから学習がスタートした。ネームでどのあたりに一づくかを把握させ、その後、何を知っているか、何を知りたいかを整理させたところで授業が終了。

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 知りたいことを全体で共有した。意外にも歴史について知りたい児童が多かった。知りたいことは山のようにあるけど、ここで1学期は終了!と伝えると、モヤモヤしてしかたがないという反応。夏休みの間に気になることを調べるとのことである。導入の時間よりも近江町市場への興味関心は高まったようである。

 Meetなどで夏休み期間中に調べたことを伝え合いたいという声もあがったが、かわいそうだけれども却下した。その代わりに、Google Classroomで新しいクラスを作成した。整理したことを投稿してもよいということにした。夏休み期間も追究の意識が途切れず、むしろ、それが強くなってほしいと考えている。

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近江町市場導入

 今年度のメインである近江町市場に目を向ける時間である。本当は、第一サイクルにもう少し時間をかけたかったが、夏休みの期間に各自で追究できるようにするために、急ぐこととした。

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 今回の授業はどうアプローチするか本当に長い期間をかけて考えた。近江町市場をテーマとした学習を展開していくために、心に火を付ける必要がある。そのために、何を示すかが問題であった。

 ここでは、結局2種類の資料を準備した。2017~2020年のGWにおける近江町市場の来場者数と、実際の写真である。この資料の提示によって大きな驚きが起こると考えた。

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写真1:2019年様子

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写真2:2020年様子

 実際には、イチバのハコの取り組みを思い出させ、そこから、学習がスタートしたことを確認し、一部(2020年の人数)を隠したグラフを提示→写真1→写真2の順番で児童に示した。だが、ここは少し想定とずれてしまった。もっと驚きの声があがると思っていたが、これまでの学習から予見ができたようである。ここは順番を変えて、視覚的イメージからグラフで確認するような展開がよかったかもしれない。

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 この授業の振り返りには、「チラシを作って呼び込みたい」や「何か手伝えることがあればしたい」などこの状況に参画していこうとする意欲を感じる記述が多々あった。だが、ここには彼らの思いや熱量はまだない。近江町市場に関する情報に多く触れていく中で、もっと〜したいなどの思いや熱量が高まってくるはずである。ここのプロセスがなければ、今後の展開はありえない。「もっと知らないといけない」という気持ちにまずはさせることが必要なことである。

オリンピック運営に関わる人の思い

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<オリンピックの運営に関するコロナの影響>、<そもそも金沢は運営に関係してるのか>というところは解決していないということで、オリンピック関連事業推進室の方をGTとして招いた。

展開は以下の通り。

1.ねらい

金沢市におけるオリンピック事業の取り組み内容を把握し、コロナ禍においてもオリンピック開催に向けて活動する人々の思いを理解する。

2.授業の展開

1)前回までの授業の確認(2分)

コロナウイルスで影響を受けた人々の思いで、オリンピック関連だけまだ十分に見えていない

2)GTからの話(10分)

→ホストタウン(事前合宿)、聖火リレーパブリックビューイング

3)児童の感想(10分)

→取り組みを聞いてどんなことを思ったか、今後の予想について交流

4)GTからの話(10分)

→中止になったかどうか、現在の取り組み

5)児童の感想・振り返り(8分)

→実際に話を聞いてみてどうだったか

 

 終末部分にGTより「みんなもできることを考えてほしい」という投げかけをうけ、代表選手にムービーと昨年度取り組んだ授業で作成したからかみのうちわを送ることとなった。これだけでも、おもしろい展開となるだろうが、これは課外の時間に取り組むこととする。

 改善すべきことは多少あるが、きっとこの第一サイクルの学びが第二サイクル以降の布石となるはずである。第一サイクルを終えた児童の振り返りからもそのことが分かる。

実際にかかった人、スポーツ選手の思い

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 前回の記事に取り上げた「コメント欄の資料が多過ぎてどれを見ればいいか分からない」という課題を授業冒頭部で確認した。前回途中で終わっていた実際にかかった人、スポーツ選手の思いを明らかにするとともに、コメント欄への書き込みに関する課題の解決策もこの時間でなんとかしたいと考えた。

 数ある児童が見つけてきたサイトから、2事例提示し、そこから思いを実際に読み取った。実際にかかった人の思いに関しては、ヒカキンTVに登場されて思いを語ってくれていた芸人さんのインタビューを参考にした。スポーツ選手に関しては、次のオリンピックに向けて練習に取り組む選手のコメントを参考にした。いずれも、子どもたちが明らかにしたがっていた思いをつかむことができた。

 終末場面で、「コメント欄の件、どうしよっか?」とたずねると、「こんなこと分かるよ、って書いてからURLをはればいい」という意見があった。板書を、【緑枠=資料】、【黄色文字=思い】と書いていたため、それを見てそう思ったとのことである(これに近い感じになってほしいと意図的に書いていた)。「たしかに!」などの反応を拾い、そこからクラスの新たなルールとした。

 授業後、前回投稿にURLベタ貼りの投稿が1つあったが、15日の授業内容の投稿には、新たなルールを意識したコメントが見られた。このことを価値付けして、いっそう有効な活用を目指していきたい。

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 少し授業の内容とはズレたが、大切なことなので記載しておいた。

 なお、内容に関しては、<オリンピックの運営に関するコロナの影響>、<そもそも金沢は運営に関係してるのか>というところは解決していないと確認。総合は授業だけではなく、朝の会や隙間時間などにも話することを心がけているので、この点については4年生が中心になって金沢市オリンピック関連推進事業室の人にコンタクトを取り、次週来てもらうことになった。去年からの総合で慣れているため、この点のスピード感は本当にすばらしいと思う。