社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

金沢からかみ団扇づくり

 前回の記事で取り上げた内容のうち、金沢からかみ団扇づくりについて取り上げる。「金沢からかみ団扇づくり」と「アプリづくり」の同時並行で行っていたため、時間を遡っておっていく。

koufuku54.hatenablog.com

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 7月に登場していただいたオリンピック関連推進事業室の方から、金沢からかみのうちわづくりをゼロからデザインし、作成したものをパラリンピック水泳選手に送るという話をいただいた。近江町市場と直結した活動ではないので、お断りしようかとも考えたが、せっかくの機会だから何かうまく絡められばと思い、まずは教室に来ていただいた。

 子どもたちも反応は上々であったが(もちろんそうなるが)、数名が思った以上に乗ってこない。理由を問うと、「週に2時間、1年で70時間しかないので、こっちを思い切ってやると近江町市場のことができなくなる」という答えが返ってきた。迷うところはそこなんだよなぁと思いながらも、数人に考えを述べさせていく。そんな中、団扇の柄を近江町市場のものにすれば結局共通のことをしていることになるし、どこかでつながるかもしれない、という発言をした児童がいた。こっちもその展開を考えていたが、子どもから出てきたことには非常に大きな価値がある。大課題にはズレがあるように思うが、そのこと自体も何名かの子がふり返りに書いていた。いつかこのふりかえりを取り上げ、大課題にそのものに立ち返らせていきたい。

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 2週間ほどは別(アプリづくり)のことを行っていたため、少し間があいた。この日は、柄には何を取り上げるかを考えた。イメージマップを個人で書かせて授業で何を取り上げるかを考えた。重複があるとおもしろくないということで、全体で確認し、それぞれが取り上げるものを考えた。それぞれが思い入れのあるものをつくることになった。

 ただ、団扇にカニの絵が描かれていても近江町市場と直結することはない。活動終末でこのことに気づかせ、どうするかを考えていく展開を想定していたが、もうすでにこの段階でそのことに気がついた子が数名いた。「どうする?」と問うと、ロゴを入れればいいと返ってきた。最近は変に教師が水面下で考えなくても、ある程度のことは子どもたちがこちらも納得するカタチで進めていっている。それが非常にたくましい。以下は子どもの振り返りである。

  • 今回の授業で唐紙のうちわにどんなデザインを取り上げるか決まりました。自分が選んだ五郎島金時のデザインは表すことが難しそうです。なのでその物の写真を見て作りたいです。ルーブリックの一部考えるまでは出来ませんでしたが全員かぶるようなことはなかったので良かったです。
  • 今日の授業では、近江町市場の何をうちわの柄にするのかを考えました。また、それぞれがかぶらないようにもしました。実際に私も、乗せた柄を見て近江町市場を想像できるかどうか少し不安だったのですが、どのうちわにも“近江町”のマークをのせることになったので良かったです。