Google Classroom活用状況
前回同様、授業の内容をGoogle Classroomにアップした。
コロナウイルスにかかった人と、スポーツ関係者は十分に聞けなかったということを確認して終了したため、そのもやもやから、多くの子が、自分で調べ、リンクを貼っていた。223件のコメントがあるが、これは明らかに捌き切れない量である。実際に、自分も全てに目を通せない。今後にも関わる大きな課題であるため、活用のルールをクラスで考える必要があると考えた。
休校期間中のGoogle Meetの活用の時もそうであったが、一方的にルールを与えても定着はしないと思い、問題があるごとにそのことを取り上げ、クラスで考えている(発言者以外はミュートにする、というのも子どもたちが作り上げたルール)。実際に、毎日書いている日記にも2名が「みんなやる気になっているけど、読みきれない」や「全部読もうとすると時間がかかる」という記述があった。
そこで、朝の会にアンケート調査を行い、その場で結果を提示した。(ついでに持ち帰り用端末に関する他の項目も取ったがここでは省略)
結果を示したところ、「見ない気持ちもわかる」という子が多々いたため、その子たちに思っていることを話させた。「次から次に更新されていくので、途中で関係あると思っていても見たくなくなる」や「わざわざ見に行くと、すごく長いことが多い」といった声が聞かれた。「やる気になってみんなやってるけど、もったいないね。どうすれば解決策を考えないといけないね。」と伝え、終了。ここで解決策を模索しても空中戦になると判断したためである。
この内容の続きは次の授業の記事で触れる。
コロナウイルスの影響の実際
Google Classroomで各々がインタビューしてきた身の回りのことを共有する。移動教室で児童が不在の空き時間を利用し、児童が調べてきたことを黒板に位置付けておいた。
「気になるところはある?」と問い、そこの分からなかったことをもとに学習を展開していく。「器具や薬がなくなるってどういうこと?」という質問に対して、調べてきた子が説明するといった流れである。極力、入らないようにしながら授業を展開させていった。
終末部に、コロナウイルスにかかった人と、スポーツ関係者は十分に聞けなかったけど、それ以外は確かに苦労していたんだね、と確認。なお、オリンピックの要素は出たが、金沢とオリンピックは関係ないからねとあえて一蹴しておいた。「いやいや、金沢も関係ある」、「え?そうなん?」とばらつきがあるところで終了。
その日の夕方には、Google Classroomのコメント欄が、コロナウイルスにかかった人の生の声やオリンピック選手のインタビュー映像でいっぱいになる。総合にGoogle Classroomを導入して、3日の新しさからこのような行動になっているだけかもしれないが、頑張って調べてきた子にはしっかり価値付けを行っていきたい(なお、Google Classroom自体は1ヶ月ほど前から取り組んでいる)。
授業と授業のつなぎ目
総合の授業は週に2コマしかない。このコマとコマの間、児童の意識をつなぐことを大切にしてきた。このことは、昨年度も自分の中での課題であり、いろいろな取り組みをしてきた。大げさかもしれないが、このつなぎ目をしっかりすることが総合の成否の一つの要素ではないかと考えている。
そんな中、今年度はこの点を打開する新たな試みを始めた。Google Classroomに総合のクラスを作成し、毎時間の板書を掲載していく。そして、コメント欄には関係のあることであれで、書き込んでもよいこととした。(この辺りの細かい背景は省略する)
さらに、2人の子どもから、ある議題について専用のページを作ってそこに書き込みたいというリクエストを受け、作成した。家庭や休み時間など授業時間ではないタイミングで、書き込みがあり、自ずと、そのコメントに関して休み時間などに交流が生まれている。課題はあるものの、ここには大きな可能性を感じている。
一人一台端末とGoogleアカウントの付与による環境の一新で、自身の総合をアップデートしていきたい。
学習の方向付け
蓄積してしまっていたので、2回分の授業をまとめて掲載する。
オリエンテーション後、子どもたちからは、「今年の総合何になるんかなぁ」という声が多く聞かれた。質問されることもあったが、「みんなでハテナが見つけないといけないね」と返しておいた。総合=自分たちで課題を追究していくという意識を当初から持たせるために、このようなスタンスをとっている。
2週間前になるが、7月2日に昨年度お世話になった株式会社こはくの滋彦さんと直子さんの動画を見せた。去年のクラウドファンディングの結果と、今後、新たに取り組み始めた”イチバのハコ”の紹介が主な内容である。
そのメッセージの中の、「コロナの影響(えいきょう)で、いろんな人たちが大変な思いをしています。困っていることが多いなと感じている人はたくさんいるはずです。みんなもきっと、大変だったと思います。私たちもとても大変でした。コロナに負けずに、みんなも頑張っていってください。」という部分を取り上げた。「みんなはそこまで大変じゃなかったでしょう」と発言すると、「大変だった!」、「大人に比べたら大変じゃないけど、ぼくらも苦労した」、「みんな大変だった」という嵐のような返答があった。やっぱりみんなも大変だったんだね、と共感したあと、「ちなみに、大人もやっぱり大変だったの?」と問うたところ、「いろんな人が苦労してた!」「みんな!」という反応があり、「具体的には?」と突っ込むと「ありすぎて言えん」とのこと。具体的な職業などが口に出し始めた段階でチャイム。終了直後、ある子が「このこと、次の総合でやればいいやん」と発言した。数名から、「総合っぽいし、それでいこう」という流れで次の時間へ。
後日、コロナウイルスの流行でどんな人たちが大変な思いをしたかを全体で共有した。ここはあくまでも予想(ニュースや家族からの話)である。今回は、前半部に大変な思いをした人々、後半に、なぜ大変だったかという理由を共有したのだが、ここはセットで進めていくべきだったかもしれない。二度手間であり、つながりを断っていたように思う。
「黒板がうまるほど、たくさんの考えが出たけど、あくまでもこれは予想だよね?」と投げかけた。すると、「確かに」や「実際に調べたらいいやん」という発言があった。「調べてきてもいいですか?」という声が3年からも聞こえたので、「追究したいことがあったら、行動に移すことに価値がある」ということを伝えた。別の記事で述べるが、各自が家庭で調べていくこととなる。
なお、第一サイクルでコロナウイルスのことを大きく取り上げているのは、2サイクル目以降の展開で社会にはたらきかけていく時のことを考慮しているためである。この部分で、子どもたちが社会になんらかのはたらきかけを行っていく際に、現在の社会情勢を把握しておくことがマストであると考えたためだ。ここ数時間で取り組むことが次のステップにいきてくればいいと考えている。
オリエンテーション
新たに入った3年生にとって、総合的な学習の時間は未経験である。具体的なイメージを持たせることは難しいが、今後の展開を考えた時に、少しでも「楽しそう!」というプラスの印象をもってもらいたかった。
そこで、4年生に、去年の総合はどうだったかを語らせることとした。ここは迷ったが、好き、好きではないの二軸のどこに位置づくかをネームで示させることとした。真ん中より少し上かと思っていたが、上部に固まった。その理由を語らせる中で、総合の魅力が3年生に伝わればと考え、4年生に思いの丈を語らせた。
こちらが伝えておきたい事柄もほぼ出ていたことに加え、3年生の振り返りには、「楽しみだ」や「早くしたい」などという記述が多く見られたことから、ねらいに対しては達成できていたように思う。ただ、総合のサイクルについては、一度確認しただけでは間違いなく落ちない。ここに関しては、実際にサイクルを回していく場面で、教師がしっかりと価値付けていきたい。
総合2020構想
新型ウイルスの休校措置に伴い、このブログも更新が止まっていたが、あらためてスタートする。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)文章力の向上という2つの目的で始めたこのブログではあるが、振り返ってみると異なる役割を果たしてくれていたように思う。第三者がこのブログを他者に紹介してくれることを通して、自身の取り組みの認知を高めてくれるという点で大きな意味があった。今年度もこのブログからまた新たな人と人とのつながりが生まれることを期待したい。
また、第二波、第三波に伴う休校措置の際に自ら学んでいけるよう、時数制限などはある中でも、総合はしっかり取り組んでいくこととする。さらに、コロナ禍の中、様々な場面でニューノーマルが求められている時期だからこそできる実践を目指していく。社会に変革が起こるところに、子どもたちが飛び込んでいくことで得られるものは大きい。また、三密を避ける授業展開や、校外へ出ることなどが難しいため、自身が取り組んできた総合のスタンスを変えざるを得ない。だが、それを逆にチャンスと捉え、この状況の中で、新たな総合に挑戦していくこととする。
いろいろ考えたが、今年度は金沢市近江町市場を題材にした。ちょうど来年に開場300年を迎えるようである。今年度の構想は以下の通りである。
「お!のある暮らし~近江町で働く人たちが綴る、おみちょのホンネマガジン~」第14号のおみちょのホンネ座談会に「地元の人にとっての近江町市場のあるべき姿というものをここで改めて見直さなければならない」という記述がある。先にも述べたが、このような中に子どもが参画することの意味は大きい。また、最近、何度か市場に足を運んだり、近江町市場の委員会に出席させていただいたりする中で、働く人の生の声を聞くことができている。確実に言えるのは、その至るところにこだわりや思いを感じるということだ。題材としての価値は非常に大きい。問題は、子どもに対し、課題意識をどのようにもたせるか、課題意識をどう持続させるか、この点については、今後じっくり考えていくこととする。
【2月28日】総合的な学習の時間最終授業
新型コロナウイルスによる休校要請を受け、本当に残念ながら総合の授業を終わらざるを得なくなってしまった。休校の決定を伝えたところ、一番最初の反応が「成果報告会は!?」であった。関わって下さった多くの方をお招きし、マスコミ関係者にも来ていただく中で、社会に向けて自分たちの学びを発信していくことを考えて、自分たちで考えて行動していただけに本当に残念でならない。
落胆の気持ちは分かるけど、限られた状況で何ができるか考えようと提案したところ、お世話になった方にお礼をしようということになった。手紙やメールということもあったが、時間もないので、「ムービーでいいやん」という発言をもとに動画メッセージを撮影することした。
ある児童が「ここで終わっちゃったけど、(考えた体験については)滋彦社長が思い受け継ぐはずやって」と言っていた。発言の目線は置いておくとして、それに同意する周囲の反応を見ながら、なんとも表現できないものが胸に込み上げてきた。
1年間の総合の振り返りも十分にできなかったので、簡潔に「自分にとって総合的な学習の時間とは〜」と表現させた。書かれているものを見ると、途中で終わってはいるものの、彼らなりにプライドをもって取り組んできたことがよく分かる。ただ、あまりにもかわいそうなので、何か策がないか考えたい。ひとまずは、クラウドファンディングという飛び道具があるので、それをなんとか有効に活用していければなと思っている。