近江町市場への興味関心を高める
客数が減っているので、何かしたいという気持ちや思いは素晴らしいが、そもそも知っているのかということを問うところから学習がスタートした。ネームでどのあたりに一づくかを把握させ、その後、何を知っているか、何を知りたいかを整理させたところで授業が終了。
知りたいことを全体で共有した。意外にも歴史について知りたい児童が多かった。知りたいことは山のようにあるけど、ここで1学期は終了!と伝えると、モヤモヤしてしかたがないという反応。夏休みの間に気になることを調べるとのことである。導入の時間よりも近江町市場への興味関心は高まったようである。
Meetなどで夏休み期間中に調べたことを伝え合いたいという声もあがったが、かわいそうだけれども却下した。その代わりに、Google Classroomで新しいクラスを作成した。整理したことを投稿してもよいということにした。夏休み期間も追究の意識が途切れず、むしろ、それが強くなってほしいと考えている。
近江町市場導入
今年度のメインである近江町市場に目を向ける時間である。本当は、第一サイクルにもう少し時間をかけたかったが、夏休みの期間に各自で追究できるようにするために、急ぐこととした。
今回の授業はどうアプローチするか本当に長い期間をかけて考えた。近江町市場をテーマとした学習を展開していくために、心に火を付ける必要がある。そのために、何を示すかが問題であった。
ここでは、結局2種類の資料を準備した。2017~2020年のGWにおける近江町市場の来場者数と、実際の写真である。この資料の提示によって大きな驚きが起こると考えた。
実際には、イチバのハコの取り組みを思い出させ、そこから、学習がスタートしたことを確認し、一部(2020年の人数)を隠したグラフを提示→写真1→写真2の順番で児童に示した。だが、ここは少し想定とずれてしまった。もっと驚きの声があがると思っていたが、これまでの学習から予見ができたようである。ここは順番を変えて、視覚的イメージからグラフで確認するような展開がよかったかもしれない。
この授業の振り返りには、「チラシを作って呼び込みたい」や「何か手伝えることがあればしたい」などこの状況に参画していこうとする意欲を感じる記述が多々あった。だが、ここには彼らの思いや熱量はまだない。近江町市場に関する情報に多く触れていく中で、もっと〜したいなどの思いや熱量が高まってくるはずである。ここのプロセスがなければ、今後の展開はありえない。「もっと知らないといけない」という気持ちにまずはさせることが必要なことである。
オリンピック運営に関わる人の思い
<オリンピックの運営に関するコロナの影響>、<そもそも金沢は運営に関係してるのか>というところは解決していないということで、オリンピック関連事業推進室の方をGTとして招いた。
展開は以下の通り。
1.ねらい
・金沢市におけるオリンピック事業の取り組み内容を把握し、コロナ禍においてもオリンピック開催に向けて活動する人々の思いを理解する。
2.授業の展開
1)前回までの授業の確認(2分)
→コロナウイルスで影響を受けた人々の思いで、オリンピック関連だけまだ十分に見えていない
2)GTからの話(10分)
→ホストタウン(事前合宿)、聖火リレー、パブリックビューイング
3)児童の感想(10分)
→取り組みを聞いてどんなことを思ったか、今後の予想について交流
4)GTからの話(10分)
→中止になったかどうか、現在の取り組み
5)児童の感想・振り返り(8分)
→実際に話を聞いてみてどうだったか
終末部分にGTより「みんなもできることを考えてほしい」という投げかけをうけ、代表選手にムービーと昨年度取り組んだ授業で作成したからかみのうちわを送ることとなった。これだけでも、おもしろい展開となるだろうが、これは課外の時間に取り組むこととする。
改善すべきことは多少あるが、きっとこの第一サイクルの学びが第二サイクル以降の布石となるはずである。第一サイクルを終えた児童の振り返りからもそのことが分かる。
実際にかかった人、スポーツ選手の思い
前回の記事に取り上げた「コメント欄の資料が多過ぎてどれを見ればいいか分からない」という課題を授業冒頭部で確認した。前回途中で終わっていた実際にかかった人、スポーツ選手の思いを明らかにするとともに、コメント欄への書き込みに関する課題の解決策もこの時間でなんとかしたいと考えた。
数ある児童が見つけてきたサイトから、2事例提示し、そこから思いを実際に読み取った。実際にかかった人の思いに関しては、ヒカキンTVに登場されて思いを語ってくれていた芸人さんのインタビューを参考にした。スポーツ選手に関しては、次のオリンピックに向けて練習に取り組む選手のコメントを参考にした。いずれも、子どもたちが明らかにしたがっていた思いをつかむことができた。
終末場面で、「コメント欄の件、どうしよっか?」とたずねると、「こんなこと分かるよ、って書いてからURLをはればいい」という意見があった。板書を、【緑枠=資料】、【黄色文字=思い】と書いていたため、それを見てそう思ったとのことである(これに近い感じになってほしいと意図的に書いていた)。「たしかに!」などの反応を拾い、そこからクラスの新たなルールとした。
授業後、前回投稿にURLベタ貼りの投稿が1つあったが、15日の授業内容の投稿には、新たなルールを意識したコメントが見られた。このことを価値付けして、いっそう有効な活用を目指していきたい。
少し授業の内容とはズレたが、大切なことなので記載しておいた。
なお、内容に関しては、<オリンピックの運営に関するコロナの影響>、<そもそも金沢は運営に関係してるのか>というところは解決していないと確認。総合は授業だけではなく、朝の会や隙間時間などにも話することを心がけているので、この点については4年生が中心になって金沢市オリンピック関連推進事業室の人にコンタクトを取り、次週来てもらうことになった。去年からの総合で慣れているため、この点のスピード感は本当にすばらしいと思う。
Google Classroom活用状況
前回同様、授業の内容をGoogle Classroomにアップした。
コロナウイルスにかかった人と、スポーツ関係者は十分に聞けなかったということを確認して終了したため、そのもやもやから、多くの子が、自分で調べ、リンクを貼っていた。223件のコメントがあるが、これは明らかに捌き切れない量である。実際に、自分も全てに目を通せない。今後にも関わる大きな課題であるため、活用のルールをクラスで考える必要があると考えた。
休校期間中のGoogle Meetの活用の時もそうであったが、一方的にルールを与えても定着はしないと思い、問題があるごとにそのことを取り上げ、クラスで考えている(発言者以外はミュートにする、というのも子どもたちが作り上げたルール)。実際に、毎日書いている日記にも2名が「みんなやる気になっているけど、読みきれない」や「全部読もうとすると時間がかかる」という記述があった。
そこで、朝の会にアンケート調査を行い、その場で結果を提示した。(ついでに持ち帰り用端末に関する他の項目も取ったがここでは省略)
結果を示したところ、「見ない気持ちもわかる」という子が多々いたため、その子たちに思っていることを話させた。「次から次に更新されていくので、途中で関係あると思っていても見たくなくなる」や「わざわざ見に行くと、すごく長いことが多い」といった声が聞かれた。「やる気になってみんなやってるけど、もったいないね。どうすれば解決策を考えないといけないね。」と伝え、終了。ここで解決策を模索しても空中戦になると判断したためである。
この内容の続きは次の授業の記事で触れる。
コロナウイルスの影響の実際
Google Classroomで各々がインタビューしてきた身の回りのことを共有する。移動教室で児童が不在の空き時間を利用し、児童が調べてきたことを黒板に位置付けておいた。
「気になるところはある?」と問い、そこの分からなかったことをもとに学習を展開していく。「器具や薬がなくなるってどういうこと?」という質問に対して、調べてきた子が説明するといった流れである。極力、入らないようにしながら授業を展開させていった。
終末部に、コロナウイルスにかかった人と、スポーツ関係者は十分に聞けなかったけど、それ以外は確かに苦労していたんだね、と確認。なお、オリンピックの要素は出たが、金沢とオリンピックは関係ないからねとあえて一蹴しておいた。「いやいや、金沢も関係ある」、「え?そうなん?」とばらつきがあるところで終了。
その日の夕方には、Google Classroomのコメント欄が、コロナウイルスにかかった人の生の声やオリンピック選手のインタビュー映像でいっぱいになる。総合にGoogle Classroomを導入して、3日の新しさからこのような行動になっているだけかもしれないが、頑張って調べてきた子にはしっかり価値付けを行っていきたい(なお、Google Classroom自体は1ヶ月ほど前から取り組んでいる)。
授業と授業のつなぎ目
総合の授業は週に2コマしかない。このコマとコマの間、児童の意識をつなぐことを大切にしてきた。このことは、昨年度も自分の中での課題であり、いろいろな取り組みをしてきた。大げさかもしれないが、このつなぎ目をしっかりすることが総合の成否の一つの要素ではないかと考えている。
そんな中、今年度はこの点を打開する新たな試みを始めた。Google Classroomに総合のクラスを作成し、毎時間の板書を掲載していく。そして、コメント欄には関係のあることであれで、書き込んでもよいこととした。(この辺りの細かい背景は省略する)
さらに、2人の子どもから、ある議題について専用のページを作ってそこに書き込みたいというリクエストを受け、作成した。家庭や休み時間など授業時間ではないタイミングで、書き込みがあり、自ずと、そのコメントに関して休み時間などに交流が生まれている。課題はあるものの、ここには大きな可能性を感じている。
一人一台端末とGoogleアカウントの付与による環境の一新で、自身の総合をアップデートしていきたい。