社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

今年度の総合的な学習の時間の題材

 今年度の総合的な学習の時間の題材は、空き家問題を取り上げるつもりである。まずは、この国が抱える空き家問題の状況を整理する。

 総務省(2019)は、実態調査を行い、現状を以下のように述べている。

人口減少や既存の住宅・建築物の老朽化、社会的ニーズの変化や産業構造の変化等に伴い、居 住その他の使用がなされていない空き家が年々増加している。 平成 25 年に総務省が実施した住宅・土地統計調査によると、平成 25 年 10 月 1 日時点で全国 の総住宅数 6,063 万戸のうち、空き家は 820 万戸(全国の総住宅数の 13.5%)となっている。 そのうち、「賃貸用又は売却用の住宅」及び「二次的住宅」(別荘等)を除いた「その他の住宅」 に該当する空き家(転勤、入院、死亡、転出などのために居住世帯が長期にわたって不在の住宅 や建て替えなどのために取り壊すことになっている空き家)の数は 318 万戸(全国の総住宅数の 5.2%)となっており、過去 10 年間で 1.5 倍、過去 20 年間では 2.1 倍に増加している。所有者 による適切な管理が行われていない空き家の中には、結果として、安全性の低下、公衆衛生の悪 化、景観の阻害等多岐にわたる問題を生じさせ、ひいては地域住民の生活環境に深刻な影響を及 ぼしているものもある。

総務省行政評価局(2019)「空き家対策に関する実態調査」より

 株式会社野村総合研究所(2015)は、2018年、2023年、2028年、2033年の総住宅数・空き家数・空き家率を以下のように予測している。

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2018年、2023年、2028年および2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測

 野村総合研究所の予測によれば、今後ますます空き家の数は増加していく。空き家問題はこの国が抱える大きな問題であり、どこに住む人々も必ず向き合っていかなければならない問題である。だが、空き家問題が大きな問題として認識されているとは言い難く、自分には関係のないという風潮がある。

 学校教育の中にも位置付けられた実践は私が知る限りなく(追記:先行実践あり)、社会的な課題として捉え、題材として位置付けることで、様々な授業展開が可能となると考えた。