社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

【一次第1時】空き家との出会い

<授業構想> 

 いよいよ総合的な学習の時間が本格的にスタートする。本時では、コアの一つである【探究心をくすぐる事象を提示する】ことを手立てとする。

 校長先生からの「単なる3年生への〇〇町案内ではなく、どうせ行くならハテナを見つけてくるべし(本学級は複式学級である)」という言葉を受け、「自分たちの学校の周りにハテナはないか?」という視点で見学に行く。空き家見学のために行くのではなく、あくまでもハテナを見つけるためということを見学の意図とした。

 おそらく子どもたちは、空き家を見て衝撃を受け、探究心をくすぐられるのではないかと考える。具体的には、「えー!」というおどろきの声とともに、「これ住んどるん?」、「誰のものなん?」、「あぶな」などつぶやきが出てくるであろう。この時間はその様子をじっくり見とっていきたい。そして、帰校後、自由記述形式でふり返りを記述させる。

  • 領域1:教師の期待するふり返り以上の事柄が記述されている
  • 領域2:空き家に関する気付き・感想および疑問が記述されている
  • 領域3:空き家に関する気付き・感想が記述されている。
  • 領域4:空き家に関する気付き・感想が記述されていない。

<授業省察

 想定通り、空き家を見た瞬間に様々なおどろきの声と、細部まで食い入るように観察する姿が見られた。

  • 領域1・・・6人
    <参画意欲>
    「わたしたちがあの草などをとりのぞくことはできないのかな」
    「このきけんなたてものをみんなといっしょに安全にしたいです」
    「解体をして他の人が住めるようにしたらいいと思います」
    <類推>
    「大事なものだし、思い出があるからきっと残しているんだと思います」
    <仮定>
    「台風や大雨、地震が起こった際にに本当にたえられるのか」
    <展望>
    「近くの住む人にインタビューすればだいたいのことがわかるはず」
  • 領域2・・・16人
    ※多くの児童が記述していた疑問を記載
    「どうしてあのまま放置しているのか(10人)」
    「なんで『きけん』と書かれているのか(6人)」
    「なぜごみが捨てられているのか(5人)」
  • 領域3・・・3人
  • 領域4・・・0人  計24名

○今後に向けて

 これだけたくさんの気付きが得られていることから、一度見てきたものを丁寧に整理していく。ていねいに見たことを確認する中で、多くの疑問である「(危険なのに)どうしてあのまま放置しているのか」、「なぜきけんなのか」に絞っていきたい。どんな危険性があるのかということを予想させる。その後、危険なのに、どうしてそのままにしているのか?という方向性に導いていくこととする。

○自身の改善点

 領域3に分類された児童は対象ではないことを記述していた。机間指導の際に、見ていたつもりであったが、甘かった。指示を理解しているかどうかをこの3名に関しては徹底的に確認することとする。

 ふり返りに関して欲が出た。この要素を盛り込むべきということで観点を示したことが要因で、その観点を盛り込むことに悩み、記述に戸惑う児童がいた。このふり返り指導に関しては、あらためてテコ入れが必要である。