社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

【一次第4時】空き家が放置されている理由を予想する

<授業構想> 

ねらい:問題がある空き家が放置されている理由について自分なりの予想を立て、今後の学習の展開の見通しを持つことができる

  1. 前時までの学習内容を想起する
  2. 空き家が放置されている理由について個人で考える
  3. 考えを全体で共有する
  4. 実際はどうか確かめる方法を考える
  5. 学習をふり返る

 「問題がたくさんあるのに、どうしてこわさないのか」という疑問をもとに学習を展開していく。ここでは、空き家を主語とし、「どうして問題のある空き家がそのままにされているか」という学習課題を設定した。そのままにされている予想の拠り所も十分でないことから、多様な考えは出てこないことが想定される。これまでのふり返りを見ていると、具体的には、家が大切なものであるため、お金がないから壊せないという2つの考えが出てくるであろう。考えを共有した後、ある児童の「あくまでも予想だから、知っている人に聞きたい」という前時のふり返りの一部を取り上げ、みんなが話し合っていることは、予想でしかすぎず、本当のところは分からないということを確認する。そして、確かめるための方法について話し合うこととする。

  • 領域1:教師の期待するふり返り以上の事柄が記述されている
  • 領域2:空き家がそのままにされている理由に関する事柄が記述され、今後の見通しが記述されている
  • 領域3:空き家がそのままにされている理由に関する事柄が記述されている。
  • 領域4:空き家がそのままにされている理由に関する事柄が記述されていない。

<授業省察

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  • 領域1・・・0人
  • 領域2・・・6人
    <展望>
    「去年みたいに市役所の人にきてもらって教えてもらえばすっきりするので教えてもらいたい」
    「家の近くだから、もう一回自分の目で見に行きたい」
  • 領域3・・・8人
  • 領域4・・・3人

 こちらの想像以上に多くの考えが出てきた。さらに、管理者といういつか出したいという要素も出てきた。ここから、家主ということにもつなげることができた。総じて、児童の関心が非常に高いと言える。この興味をなんとか持続させたいものである。次週の市役所の方をGTに何をどう語ってもらうかが今後のカギとなる。

○今後に向けて

 児童のふり返りをもとに、これまでの話し合ってきたことは、あくまでも予想であることを確認した。昨年度の総合の経験から、分からないことをはっきりさせたい時には詳しい人に聞くのが一番近道であるということ知っているため、スムーズに「市役所の人に聞いたらいい!」という発言が出てきた。実際に、住宅政策課の方がGTとしてきた際には、子どもたちの疑問に答えてもらうのと同時に、今後も空き家はますます増え続けることになるという事実を提示してもらう。なお、その具体については、打ち合わせのもと、じっくり構想を練ることとする。

○総合ボード

 実際に何を聞きたいかということも明確になっていることから、市役所の方に聞く以外にも自分たちで調べるという児童が何名もいた。そこで、その児童が調べてきたことを内容問わず、総合ボードに位置付けることとする。また、家が平和町の近くだから、家の周りの人に話を聞きたいという児童と実際に行ってみる。市役所の方が来校する授業までに1週間あるので、その間に意識が途切れないように総合ボードを有効活用する。なお、総合ボードの詳細については、別記事で取り上げる。