社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

【一次第8時】「空き家のよさ」を整理する

<授業構想> 

ねらい:見学や新たな映像資料をもとに、管理されている空き家のよさを理解することができる。

  1. 住宅政策課の方への提案について確認する
  2. 課題を共有する
  3. 見学を分かったことを整理する
  4. 整理したことから「空き家のよさ」について考える
  5. 見学してきた空き家以外に目を向け、その他の空き家でもあてはまるかについて考える
  6. 学習をふり返る

 管理されている空き家を見て、イメージを深めることが必要だと判断したため、地元の不動産会社に依頼し、一次7時に貸し物件の見学に行った。ここで広げたイメージをもとに、住む以外の活用方法を考えていく。また、単に考えて終わりではなく、「小学生なりに自分でできることを考えてほしい」という住宅政策課の職員の発言を受け、実際に考えたことを提案する。その提案が次週の月曜日である。そのために、本時の授業では、住む以外の活用方法を考える土台を構築したい。この土台がないがゆえに、コンビニ、デパートなどの現実とはかけ離れたものが出てきてしまう。そこで、本時では活用方法を考える土台として、管理されている空き家のよさについて考えていくこととする。

 また、授業中盤には空き家を見学したあとの2名の感想「今回の空き家を見ただけではどんなものにできるかということを考えられない。他の空き家も見てみたい。」を取り上げる。そこから、web上の映像をもとに他の空き家についても同様のことが言えるかを考え、土台構築につなげたい。なお、その際に示す空き家は見学に行った比較的新しい物件ではなく、建築年数の古い物件の映像を提示する。

  • 領域1:教師の期待するふり返り以上の事柄が記述されている
  • 領域2:空き家のよさが記述され、今後の見通しが記述されている
  • 領域3:空き家のよさが記述されている。
  • 領域4:空き家のよさ空き家が、今後の見通しのどちらも記述されていない。

<授業省察

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  • 領域1・・・3人
    「それぞれのタイプによって活用方法はちがうということが分かった」
  • 領域2・・・18人
  • 領域3・・・1人
  • 領域4・・・1人

 「今回の空き家を見ただけではどんなものにできるかということを考えられない。他の空き家も見てみたい。」という感想から、タイプの異なる4つの空き家を見せたことに大きな意味があった。「どんな活用方法があるかを考える時には、その空き家のタイプに分けないといけない」や「それぞれの空き家のよさにあったことを考えたい」というふり返りが見られた。このふり返りが意味することををしっかりと全体で共有する必要がある。ここで、確認したよさは「きれい」、「生活ができる」、「古いから逆に雰囲気がよい」、「広々としている」の4つである。また、ふり返りに活用方法を記述させたが、突拍子のないものは見られなくなってきている。

○今後に向けて

 そして、住宅政策課の方に提案する時も、どのタイプの空き家を想定しての提案なのかということを板書上に位置付けていく必要がある。この部分については、児童の考えを整理する視点をもっておかないといけない。この視点が提案する授業におけるキモになってくると思う。また、子どもが空き家の活用方法について考えるということは非常に抽象的なことであった。だが、抽象的な思考を多少、具体化できたと思う。

○自主学習での成果について

 2人の児童が実際に空き家をどのように活用しているのかということを自主的に調べている。1人は長野県のカフェ、1人は市内の空き家を活用した図書館である。この2人の調べてきたことをどのタイミングで示させるのかを吟味したい。ただ、これは非常に有効なカードになりうると思う。