社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

社会とつながる実践で学べること

 以前の記事で自身の教師哲学について述べた。

koufuku54.hatenablog.com

 今回もやはり、子どもたちの姿から、社会とつながる実践のよさを感じたので記事にまとめておくこととする。

 現在の子どもは、空き家そのものではなく、「山田滋彦社長に対して、自分たちが考えた町家での体験メニューをプレゼンし、実現してもらう」ということに意識が向いている。(最初の空き家と違うじゃないかというご指摘もあるが、今はこれでも最後に戻せばいいと考えている。)

 子どもたちは真剣に取り組んでおり、プレゼン前日や当日の朝は休み時間にも関わらず、メンバーで声を掛け合い、自主的な練習に取り組んでいた。その中で、真剣に取り組んでいるがゆえに、グループメンバーと意見が対立することも多々ある。実際に、今回うまく話し合いが進まなかったり、泣き出す子がいたりしたグループも見られた。語弊があるかもしれないが、こういうことが、彼らにとっての学びになると考えている。あくまでも見守ることをベースにしながら、それでも問題がある時にはそれぞれの言い分を聞く中で、今後どうしていくことを考えさせてきた。対立があったとしても、「山田滋彦社長に対して、自分たちが考えた町家での体験メニューをプレゼンし、実現してもらう」という共通の目的があるので、多少のことは乗り越えられるのだ。

 社会に出ると、こういうことはざらにあり、いかなる場においても合意形成していくことが必要となってくる。このようなことを、小学校段階から経験させていきたいが、そこには、やはり何のための学習なのかを明確にし、共通のゴールを子どもたちが持っておかねばならない。そのためには、今回の実践のように社会とつながるようなリアルな場が必要である。そういう意味で、この授業を行うにあたり、多くの方に関わってくださっており、非常にめぐまれている。この点については、本当に感謝しなければならない。

 以下は、プレゼンの構成を考える時に、もめていたグループにいた子のふり返りである。うまくいかなかった経験をもとに、次につなげようとしていることが分かる。今後もこの子のように、多くの子に学びが得られるような授業を作っていきたい。

  • 自分が司会の時は、みんなの意見をまとめようとして進めることができました。でも、司会じゃない時に、話の割り込みをしてしまい、それでみんなの意見がバラバラになりました。それがダメな点でした。でも、その次の授業では、みんなが満足する話し合いにするため、さりげなく司会を助けたり、みんなと話し合おうと心がけたりできたのでうまくいきました。次の学習でも、意見を言っている途中に何かを言うのはやめたり、助け合ったりすることを忘れずにやっていこうと思います。