社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

【11月12日】体験の具体を考える

 第2回のプレゼンは、「①ターゲットを明確にして」、「②具体的な内容を提案する」ということをプレゼンに盛り込むことを以前、滋彦社長は子どもたちに伝えていた。だが、熟慮の末、①ターゲットを明確にするということは今回のプレゼンの条件から外してもらうよう滋彦社長に打診した。ターゲットを考えるあまり、体験の内容について考えなくなってしまうことからねらいと外れることを懸念したためである。やはり、現段階では、「具体的な内容について考える」ことに重きを置きたい。そこで、今回は、2コマ続きの授業で、各チームが第2回プレゼンに向けて、体験の具体的な内容について考えていった。

 チームごとに、課題を設定し、課題について話し合い、解決したらまた別の課題を設定していくというこれまでの流れを今回も取り入れることとした。

 なお、「分からなかいところがあるから専門家に聞きたいから連絡先を教えてほしい。」と「具体的なイメージを描きたいから画用紙がほしい。」という発言を受けた。このようなことを積極的にさせたいので、大きく褒め、他の班もどんどんやればいいという内容の話をした。

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 以下ではそれぞれのチーム状況を取り上げる。

【染物チーム】

 複雑なものを染めるのは難しいということで、シンプルにタオルとハンカチを染めることとなった。また、金沢らしさを出すためには加賀野菜を使って染めればよいという以前のアイデアを出していたが、本当に染めることができるのかは自分たちでは分からないという結論に至った。そこで、専門家の方にメールを送ろうということになった。文章を考えた後には、どのような染物をイメージするかを画用紙に書いていた。

【伝統作品づくりチーム】

 加賀繍は繊細だし、難しいからということで、何を作るかについて紛糾していた。時間をかけないと大きなものは作れないということで、小さな柄を作ることで意見が一致した。具体的に何を作るかについては、紆余曲折を経て、のれんを作ることとなった。のれんづくりはどこもやっていない、家でも使える、加賀繍も目立つという理由だそうだ。その後、一人一台のタブレット環境があるので、メモ機能を用いて、具体的にどんなのれんがいいかを描いていた。


シルクスクリーンチーム】

 染物チーム同様に、複雑なものは避けた方がいいということで、Tシャツに決まった。金沢らしさを表現するには、柄しかないということで、どんな柄だと金沢らしさが出るかについて長い時間話し合っていた。結果、「金沢城」、「鼓門」、「ことじとうろう」を柄とすることとなった。その後、「具体的に描きたい」ということで、画用紙を配布し、具体的なデザインを考えていた。完成後、ある子は、「これだと版作るの難しいけどできるんかな」とつぶやいていた。このつぶやきを拾って、これを起点にグループでの学習を展開していきたい。

【唐紙チーム】

 以前、専門家から作ることができると言われた候補の中から、帽子、バック、うちわに柄をほどこすこととした。また、このグループのメンバーの一人が自宅で加賀五彩という色を調べてきており、これらの金沢らしい色をベースとしたものを作るということが決まっていた。その後は、画用紙に具体的なイメージを描いていた。

【和菓子づくりチーム】

 誰にでもできそうなものがいいということを考慮し、上生菓子を作ることとなった。どこにでもある上生菓子にどんなオリジナル性を出すかについて、それぞれの考えを述べあっていた。加賀野菜を用いる、金沢らしい模様をつける、あんこの味を工夫するなどそれぞれの考えをもとに、授業終末場面では、どんな上生菓子ができるかを画用紙に描いていた。