社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

小グループごとの交流プロジェクト〜プレゼンに向けて〜

 いろんな「〜したい」が出たので、全てを全体で取り組むことはできない。それゆえ、小集団ごとに展開していくこととした。その際に、何でもOKというのではなく、ある程度の質を高めるために、アイデアをオリンピック関連事業推進室の方にプレゼンし、いいものを採用し、協力を得ながら進めていくということにした。

 その際に、XさんとYさんに提示してもらった条件は以下である。

  • 相手(フランス)に自分たち(日本・石川・金沢)のことを知ってもらえること
    ※相手(フランス)のことを日本に伝えるというのもアリ
  • いずれかの場所で何らかのコミュニケーションが起こるものであること
    ※紹介して終わりというものは避ける
  • 次年度も続けることができるような内容であること
    ※規模が大きかったり、多額の費用がかかるのはダメ

 この条件をもとに、どんなことをしたいかということをあらためて確認し、希望に基づき、グループ編成を行った(写真1)。ここでは、【日本の料理をフランス人選手に伝えるチーム】、【日本のアニメ・漫画をフランス人選手に伝えるチーム】、【日本の有名なところをフランス人選手に伝えるチーム】、【フランスの料理を日本に伝えるチーム】、【フランスの遊びを日本に伝えるチーム】、【フランスのお菓子を日本に伝えるチーム】の6つのグループができた。

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写真1

 その後、学習の見通しをもち(写真2)、国語科(話すこと・聞くこと領域)で学習を展開させていった。Xさん、YさんからOKをもらうためにはどんな要素をプレゼンに入れるべきかを考えるため、エラーモデルとなるプレゼンを示し、必要な要素を考えた(写真3)。

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写真2

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写真3

 それぞれのチームが具体的に何をするかを決めるまでは、各グループごとによく展開していっていたように思う。だが、そのあとの具体を考える際に、メンバー間での議論が絡んでいないということに気がついた。何となくではあるが、前提条件を揃っていないことが原因であると考えたが、確証はなかったので、子どもたちに聞いてみることにした。

 何人かにつまづいていることを聞く中で、「仲良くなるのが交流なのに、ただ日本のだれかに伝えるだけやったら意味ないやん」というつぶやきがあった。Yさんが以前、「国際交流は簡単に言えば仲良くなること、そして互いのことを知ることが交流の一歩だよ」と話してくださったが、前半の部分が強く残り、我々大人が今回の小集団でのプロジェクトに求めていた後半の部分が定着していないことが原因だと分かった。

 自分の中の構想にあった「絆を深める」という言葉を、「仲良くなる」に置き換えていたこともあり、そこを強調していたことがあだとなってしまったように思う。そこで軌道修正のために、フランス交流員の方に来ていただいた時にどんなことを感じたかを想起させ、その時の感情を含め、それが交流(仲良くなる)ことの一歩だし、そこを目指してみようということを確認した。

 XさんとYさんをお招きした11/2に完全に土台ができたと思っていたが、過信しすぎてしまった。久しぶり猛烈に反省。ただ、ここで足場をもう一度確認できたのはよかった。今後も様子を見ながら、しっかりと取り組んでいくこととする。

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写真4