社会とつながるリアルな学びの実現に向けて

本ブログの趣旨は以下の2点である。(1)社会とつながるリアルな学びを実現する授業の構想と整理の場の確立(2)社会とのつながりの構築

具体的なイメージをもたせる

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 Switch本体の問題は一度置いておき、ソフト(マリオ&ソニック東京2020)に関しては版権をもつ株式会社セガにコンタクトをとることとなった。このあたりは、XさんとYさんが担当してくださっている。このことは子どもたちに知るべき情報として共有をした。

 お二人を教室に招いたのは、ゲーム交流を行う際の方法を具体的に示し、子どもたちとイメージを共有するためである。本来であれば、どういう方法があるかということを子どもたちと考え、そこから学びを展開していくのが定石である。だが、今回は3学期であることに加え、新型コロナウイルスの感染状況が全く読めないことから複数の行動パターンを常に考えておかねばならない。それゆえ、熟慮の結果、方法は大人で協議した3パターン(クラスの子どもたち全員が一箇所に集まってゲームをする、全員が自宅からゲームをする、Switchをもっている子は自宅からゲームをし、ない子は一箇所に集まってゲームをする)を提示することとした。株式会社セガからの回答と感染状況、選手からの可能日時を踏まえ、どのパターンでいくかを検討したい。ただ、こういう流動的な状況とはいえ、すべてを教師が導くのは避けたい。それゆえ、どこかに学びの余白を生み出しておきたいが、あまりにも不確定要素が多く、その詳細は詰め切れていない。今年の総合はこのあたりが非常に難しい。

  • XさんとYさんに、「実現をさせたい」や「みんなの気持ちが伝わった」と言っていたから、より自信がついたし、自分たちも頑張りたいなと思いました。そして、成功させたいなと思います。
  • 昨日までは、どうしたらいいかなと思っていたけどXさんとYさんが株式会社セガさんに連絡してくれたので、また道が見えてきました。私は、A(一箇所で集まる)かB(ハイブリッド型)がいいと思います。できるだけ負担をかけたくないからです。

つらい事実の報告

 3学期の学習がスタートして、2週間が終わった。2学期に取り組んでいたことの結果に関する詳細はある事情で割愛するが、新たな方法を探さざるを得ない状況となった。出た結果は残念であるが、こういうことが子どもたちの学びになると信じている。世の中、取り組んだこと全てがうまくいくわけではないし、その状況に応じてどんなことをしていくかことを常に考えていくことができる子を育てたい。それゆえ、今回のことを今後の学びにつなげていきたかったし、こういう時にこそ、前を向くマインドをもってほしいと考えていた。

 冬休み期間、ずっとゲーム交流を実現させるための方法を考えていたが、ふと子どもたちの顔がうかんできた。自分は何がで何でも実現させてやろうという気持ちがあるのだが、子どもたちは何と言うのだろう、と。なかには、心のどこかで「もういいやん」っていう子もきっといるんではないかと考えた。となると、自分の思いを語るよりも、まずは、子どもたちにみんなは頑張っていたのに、このような結果になってしまったということを謝らなけれないけないし、あの子たちは何と言うかを聞かなければならない。それをしないと、子どもたちを置き去りにしてしまうということに気がついた。

 そこで、3学期1回目の授業で、自分のゲーム交流を実現させたいという気持ちは一旦伝えず、結果と申し訳なかったということだけを伝え、思っていることを聞くことにした。間違いなくマイナスの気持ちもあるだろうし、それは甘んじて受け止めるつもりだった。

 だが、蓋をあけて見ると、子どもたちの意見に本当に驚いた。くやしい、残念、つらい、悲しいというものが多くを占めるだろうなと思っていたが、大半が次の行動をどうするかということを述べていた。予想と大きなズレもあったことに加え、子どもたちのめげない強さに心を打たれた。子どもたちにもゲーム交流を何とか実現させたいという意志があるということが分かったので、それであれば、自分の思いを伝えてもよいと判断し、子どもたちに、①頑張ったことが全ていい結果につながるとは限らない、②本当に頑張っていると、支えてくれる人が現れる、③あきらめず成功するまでやり続けることが大切であるという3つのことを話した。その後、オリンピック関連推進事業室のXさんとYさんも冬休み期間中に実現に向けて動いてくれているという事実を伝えた。この時間を通して、何としてでも実現させなければならないと感じた。

  • 無理だったけど、他の方法がないかを探してみたいです。そして、支えてくれるXさん達に感謝したいです。

  • くやしいけど、手紙の内容とかを考えたことには意味があったと思うので、また別の方法を考えていきたいです。それに今までしてきたことをあきらめてしまったら、努力が無駄になるので続けていきたいです。

  • 先生は自分に責任があると言っていたけど、それはちがうと思います。(途中略)わたしたちにも責任があると思うし、せめないでほしいです。

  • あと学校は44日だけど、その間に問題を解決できるようにみんなと協力をして頑張りたいです。

古川社長の心をつかむ動画にするために

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 話し言葉と書き言葉では、思いの伝わり方に大きな差があるということをこれまでの学習の中で見出していたので、当初より子どもたちは動画でメッセージを伝えたいと言っていた。前回の授業では手紙を完成させたこともあり、今回はその動画の内容を考えた。長い動画だと見てくれないだろうし、短い動画の中で心をつかむにはどんな内容の動画にすればよいかについて意見を出し合った。

 前回の手紙の内容の検討する場面での反省(最初からカテゴライズすべきだったこと)を踏まえ、今回は項目をあげ、その後、具体な文章を考えるすることとした。結果、動画には【自己紹介】、【自分たちの思い】、【お願い】、【今までやってきたこと】、【社長への呼びかけ】、【あいさつ】、【お礼】、【手紙への促し】に入れるべきだという結論に至った。そして、それぞれの項目を具体的な文章にすることと、構成順を考えることとした。構成順を考える場面では分かれると思っていたので、この点もまた前回の反省を踏まえ、ベストのものを選ぶのではなく問題のあると考えたものを削っていくという方法をとった。そうすると、以前よりスムーズに決まった。この点の決め方は他でも転用できるであろう。

 内容を考える際に、ある子が「きっと動画を最初に見るから、その動画でいきなりSwitchとソフトの本数を言ったらひいてしまうから、あとは手紙で見てくださいにした方がいい」と発言した。これが非常に面白かった。まさにその通りであるし、そこは同じような考えをもっていただけに、普段なかなか意見を述べることはないが、自分の意見を子どもたちに伝えた。

 その後、8つの項目を言いたい人を募った。非常に多数であり、時間もなかったため、立候補した者の中から文句なしのくじで決めた。リハなしで一発撮影で、1時間のコマにおさめることができた。だが、くじで受かった子どもから、休み時間にもうちょっと練習してからもう1回撮影したいというリクエストがあったので再度撮影することとした。2回目は1回目とは全く異なるクオリティだったので、ここはもう1回チャンスを与えてよかったように思う。

 2学期の総合はこれで終わりである。後日、この学習のプロセスを振り返らせたが、子どもたち自身非常に前向きに捉えていたことが分かる。どんな結果が出るかはこちらも分からないが、その結果からまた考えていきたい。思わぬ結果にならないこともあるだろうが、きっと彼らであれば出た結果から新たな展開を見出していけように思う。

  • 今までの授業の振り返りでは(※)、5回の解答中、1回しか「フランスパラリンピックの競泳選手たちと一緒にマリオ&ソニック東京2020で遊ぶことができると思いますか」の質問で大変そう思うと答えることができませんでした。まだ古川社長からOKが来てないし、選手たちの元へうまく届くまで少し心配が残りるからです。 でも、校長先生に許可をもらったり、どうやって古川社長に貸して欲しいと言うことを伝えるのかを考えたり、何度も壁がありましたが、最初の「交流したい」と言う思いが元で壁を乗り越えられたんだと思います。3学期も、頑張って交流したいです!(※毎時間の終了後、同じ質問項目で振り返りをさせている)

  • 最初アイデアがでた時はできないんじゃないかと思ったけど、今はそう思いません。みんなと一緒に協力をして、あきらめないでやったおかげだと思います。任天堂の古川俊太郎社長にも手紙や、動画を作れたのも、自分やみんなの意見のおかげだと思っています。だからこれからも、挑戦することに可能性があったらあきらめないようにしたいです。 

古川社長への手紙内容を考える

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 手紙内容を考える。授業前日に、自分ならどんな手紙内容にするかについて考え、毎日書く日記の代わりに書いてくるように指示した。各々が思い思いに書いてきていた。これまでの学習でのことを想起しながら書き、一生懸命さが伝わってくるものの、当然のことながら不揃いである。それゆえ、授業時間にどんな文を書いたのか共有し、構成を考えることとした。

 子どもが発言している内容をその場でPCでテキスト化し、ディスプレイに投影していった。合計25文となった。構成を考える際にも一苦労したので、打ち込んだテキストを一度各自の端末に配布した。そして個人の端末で見直し、各々が一度構成を考え、その後、全体で共有した。

 最初のあいさつや主張などすんなり決まるところは決まったが、そうでないところはなかなか意見がまとまらなかった。一番意見が分かれたところは、【自分たちがしてきたこと→これからのこと】か【これからのこと→自分たちがしてきたこと】のどちらの方がより伝わるかということである。結局は一度文章をすべて順番をつなげて、どちらのパターンがふさわしいかを判断しようという結論に至った。

 これは仕方がないことであるが、文章量が非常に多くなってしまったことに関しては反省の余地がある。途中から、文章のカテゴライズ(A〜N)をしたが、当初からそのように文章を整理しながら展開をしていけばよかった。

  • 今日の授業で、手紙の順番を決めました。順番は、A→M→B→D→CG(CG→D)HJL→E→K→N→I→Fに決まりました。他の人が、〇〇の順番がいいんじゃない?とか言ってて、なるほどなと思いました。他の人の方が意味がより通じたりしました。だから、他の人と相談をしてよかったです。
  • 次は、DCGにするかCGDにするかを決めたいです。それで、少し書いてみたいです。少し違うところがあったら修正していって、古川社長が貸してあげよう!となるようにしたいです。古川社長ともゲームができたらいいです。

 翌日の朝の会で、子どもの文章をつなぎ合わせたものを示し、最終確認を行って手紙を完成させた。また、印刷したものより、手書きのものがよいということになった。誰が書くかとたずねたところ、11名の児童が書きたいということで、くじを行い、選ばれた1名が書くこととなった。何とか古川社長のもとに届いてほしいものである。

古川社長にお願いをしよう

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 以前、単にお願いをしても、任天堂の社長は貸してくれるはずがないということを確認した。相手側にとってどんなメリットがあるかを考え、それを伝えればチャンスがあるかもしれないということで任天堂サイドにどんなメリットがあるかを考えた。1学期当初にはこのような壁が高い場面には、「でも」や「無理」という言葉が多く聞こえていたが、現在はほぼいない。できるための方法を探そうとしている。このマインドセットが本当に大事なことだと考えている。ただ、決してマイナス発言する子もゼロではない。最近もいつかの授業後の休み時間に「無理やろ」とつぶやいて子がいたので、その理由を聞きながらも、やりたい気持ちがあるなら、今の状態で何ができるかを考えることに価値があるということを伝え、授業でも全体であらためて確認した(はず)。

 学級通信に学習内容のことを取り上げ、同時に家庭でも話し合うことを依頼した。その際には、任天堂の理念を書いたものを配布しておいた。子どもたちが家庭で考え出してきた意見は、【利益につながること】、【任天堂の大切にしていることと合致する取り組みであること】、【子どもの生の声を伝えられること】という3つに大別できた。自由交流のなかである子が、「笑顔を大事にして、独創を大事にする会社だからこれで断ったら嘘つきだ」と言っていた。筋は通っているなと感心しながらも、立場上「それは社長に伝えたらマズイよな。一緒に言い方考えよう」と伝えた。

 だが、この3つがどう絡むかまでは時間の関係上、深く考えることができなかった。次の時間に追加で確認が必要であるように思う。

  • 任天堂にとってのプラスは「広告→興味を持つ→もうけ」「新しいことに挑戦」「子供の感想」「笑顔」だということに今日の授業で気づきました。任天堂の使命は笑顔にすることにも気づきました。私は大体75%いけると思いました。

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 前回確認できなかった3つのことの関連性を授業冒頭部に確認した。その後、どうやって古川社長に伝えるかということを確認した。

 方法については、多様な考えが出る中で、後半部分で現実的なのはどれかを問うた。結果、【Youtubeにアップし、QRコード化(ここは方法を示した)した動画メッセージを添えた手紙を送る】、【お問い合わせフォームに送る】という方法の2つを行うこととした。後者のお問い合わせフォームは、ある子が「こんなページがある」と見つけてきて、ディスプレイに示した。「よく見つけたね」と授業後、確認したところ、国語の書くの授業で伊藤美誠選手の会社にコンタクトを取った際の問合せフォームが任天堂にもあるのではないかと思って探していたら見つかったとのこと。これまでの学習経験が根付いており、大変驚かされた。

  • 今日の授業で、どのように古川社長に伝えるか案を出しました。動画をQRコードにして、手紙に載せる方法と、お問い合わせフォームに入力する方法の2つが出ました。お問い合わせフォームは私は思いつかなかったので、なるほどなぁと思いました。
  • 手紙は届くと必ず読んでずよんもらえそうだし、2つの方法をやるというのは良いのかなーと思いまた。でも可能性は100%ではないから、少し不安なところもあります。

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 校外に出るような活動をする時には必ず校長先生の許可をいるということは子どもたちは知っており、以前から校長先生に許可をもらわなければならないと言っていた。古川社長への打診することの方向性も定まってきたので、このタイミングで校長先生に許可をもらうこととした。ここでは、「フランスパラ選手とSwitchで交流すること」、「古川社長に手紙を送ること」の許可を取る必要がある。

 こういう場合、本校校長は、内容について子どもたちにツッコミを入れてくれる。このツッコミに対する子どもの受け答えから、現時点での子どもの捉えが見えてくる。落ちていないなと思うことや、そんなことを考えているんだということが分かるのだ。こういう場面では、教師と子どもの認識のズレから大きく反省すべきことが出てくるため、あまり気持ちのいいものではないが、定期的に位置付けるようにしている。

 実際に、校長から「ゲームで本当に関係が深まるの?」や「そう簡単に任天堂が貸してくれるの?」などのツッコミがあったが、どの質問にも比較的に答えることができていた。また、どの質問にも一部の子だけではなく、発言をつなげながら質問に対する見解を述べていたので、今回はそんな教師と子どもの認識にズレはないように感じた。おそらく、認識の土台を揃える時間が大きな役割を果たしていたのだろう。許可も無事におり、子どもたちのふり返りにも満足している様子が伝わってくる。

 また、日頃から関わりのある教育関連企業の社長が視察に来てくださっていたこともあり、子どもたちが考えたメリットを示し、同じ社長という立場でコメントを求めた。すると、メッセージを伝える際には、【それをする理由】、【どのよう方法でするか】、【実現可能性を示すためにこれまでの取り組み】を入れるとよいということを示してくれた。何の打ち合わせもないなかでいきなりお願いをしたが、非常に端的にまとめてくれた。今後の大きなポイントになると考えている。

  • 今日は校長先生に(1)のフランスの選手とスイッチでゲームをするということと(2)の任天堂の社長に手紙を送るということの両方とも許可をもらうことができてとても嬉しかったです。また、校長先生に許可をもらえたということは自分たちがフランスパラ水泳チームと一緒にゲームをしたいという気持ちが伝わったということだからそれもとても嬉しかったです。

 

選手たちと一緒に遊ぶために

 小集団での交流プロジェクトは市役所と調整のため、3学期まで一旦保留とする。その間、一緒に遊びたいというところを受けたオンラインでの交流プロジェクト(目の前に現れる課題 - 社会とつながるリアルな学びの実現に向けて)に学習を戻す。

 以前の記事にも書いたが、対面ではないため、オンラインでマリオ&ソニック東京2020のゲームを一緒にすることについては、比較的可能性がある。だが、どこでどうやってやるのか?ということについては、共通の理解がなされていない。それゆえ、土台を確立することとした。

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 第一に、時間の問題である。これは多くの子が日記に書いていた問題である。時差が8時間あることを国際交流員のZさんからの話で知り、学校でできないということに気づいていたのだ。それゆえ、学校では6限目にあたるフランスの時間を確認し、帰宅後でないと無理であるということをおさえた。その後、話し合いの中で、それに付随する問題は、①Switchがない人のものをどうするか、②家庭ごとの予定をそろえる必要・家庭でのルールがあるということであるということを見出し、大きな課題は、Switchとソフトの確保であることを確認した。

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 第二に、確保する方法を確認した。様々な方法が出たが、最終的には任天堂の社長に依頼をするというところに落ち着いた。2年前に本学級での取り組みを知っている子がクラウドファンディングという意見を出してきたところに面白さを感じたが、ここは時間的にあまり得策ではないと考えたたので、そこは時間的な理由をもとにこちらで切ってしまった。ここは少し問題があった。というのも、アイデアを絞る時(板書のピンク色の短冊)の観点をこちら側から完全に出してしまった。先に進みたいという焦りが出てしまっている。この緩急の付け所が正直感覚でしかない。このあたりは、もっと長期的なスパンで考えることが必要である。(というか、そういう癖があるように思う。)

  • 今日の授業で少し希望が見えてきました。任天堂の社長に言って、貸してもらう道があることがわかりました。そのためには、任天堂のプラスを言わなければならないので、そのことを考えたいです。
  • やっぱり放課後の家での時間にしないとダメなことがわかりました。フランス人の選手が持っているかどうかもしっかり確認したいと思います。
     

小グループごとの交流プロジェクト〜プレゼン本番〜

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 オリンピック関連事業推進室のXさん、Yさん、交流員のZさんを教室に招き、それぞれのグループの取り組みの構想を伝えた。今回は、あえてXさん、Yさんに事前にどんなチームがあるか、どんな取り組み内容を考えているのかということに関する情報共有をしなかった。リアルなフィードバックを子どもたちに返してほしいと考えたためである。そして、市の取り組みとしてダメだと判断した際は、ダメだという結果を出してほしいと伝えておいた。

 それゆえ、当日のプレゼン終了後には、微妙なところのツッコミや質問が非常に多くあった。準備していたものを語るのではないため、子どもたちにとって、この質疑が非常に難しい。だが、日常生活ではなかなかないため、大きな学びになると考えた。結果は、6チーム中、1チームが採用、5チームが条件付き採用となった。この条件付き採用というところでのXさん、Yさんの条件が次の展開に迎えるにあたり、大きな意味をもつと考える。

 例えば、日本料理をフランス人選手に伝えようチームでは、明確な理由をもとに(日本らしい・作るのが簡単)、うどん・そばを取り合げていた。だが、「うどん・そばはあまりにもメジャーすぎてほとんどのフランス人が知っている」というツッコミを受け、題材を見直すこととなっている。(以下、ふりかえり参照)

  • とりあげた食べ物がすでにフランスで知っているものを選んでしまっていました。このことは知りませんでした。ここはあまりよくなかったので、何を取り上げるかということをしっかり考えたいと思います。フランスでは日本料理の何を知っていて、何を知らないかを調べていきたいです。 

 このあとは、いったん小グループでの展開を保留にし、全体で取り組む(オンラインゲームで一緒に遊ぶ)ことにモードを変えたい。子どものやりたいが多々あるため、このように複数のストーリーで展開しているが、これがなかなか難しい。総合のストーリーがこれまでは単線であったが、今回は複数路線(全体で進めること、今回のように師小グループで進めること)で展開していっているので、(子どもにとって)少し煩雑さがあるように思う。このあたり、非常に難しい。何らかの工夫が必要である。